ハステロイの加工が難しい理由と材料の種類・用途・事例などをご紹介します

ハステロイ 加工 アイキャッチ

ハステロイは加工が難しい?

ハステロイは加工が難しいと言われている素材です。では、なぜ加工が難しいのでしょうか。

▼加工が難しい理由

  • 加工硬化が生じる
  • 熱伝導率が低い
  • 工具との親和性が高い

これらの特性により、加工する際に材料が硬くなったり、工具から材料に熱が伝わりにくくなったりします。その結果、工具に大きな負荷がかかり、摩耗や変形が生じやすくなるのです。このような工具の摩耗・変形が起こると、高い精度での加工が難しくなります。熱伝導率が低いことも、工具が摩耗しやすくなる原因の一つです。熱伝導率が低い場合、材料に熱が伝わりにくくなり、高温下での加工が必要になります。そのため、工具が摩耗したり変形したりしやすくなります。

また、ハステロイは工具との親和性が高いです。工具との親和性とは、加工時に生じる切粉が工具に付着しやすいことを指します。親和性が高いため、加工中に切粉が工具に付着しやすくなり、これが摩耗を進行させ、加工精度を悪化させます。したがって、難削材であるハステロイの加工依頼を断る業者も少なくありません。

ハステロイの加工を断られる理由

難削材のハステロイの加工が断られる理由について、ここでは詳しくご説明します。先述したように、ハステロイが難削材であるところが、まず加工を断れる理由の一つです。工具の寿命が短くなることから、採算が合わなくなったり、精度が保証できなかったりするため、依頼を断る業者が多いのです。

また、ハステロイの加工を依頼されるケースが少ない会社では、対応できる技術者がいないことから断る場合があります。実績や技術がなければ加工ができない可能性があるため、金属加工全般に対応している会社でも、ハステロイの場合は一度問い合わせておいた方がよいでしょう。
なおタムラエジアでは、ハステロイC276の加工に対応しております。ハステロイC276についてはコラムの後半で詳しくご紹介します。
ハステロイC276についてこちら

ハステロイの主な用途・活用例

ハステロイは、その性質からさまざまな用途で活用されています。

▼用途・活用例

  • 漂白用容器
  • 廃棄物処理設備
  • ガスタービンエンジン
  • 熱交換器

例えば、製紙工場で使用される漂白用容器や放射性廃棄物処理設備は、さまざまな薬品や化学物質に触れる環境にあります。そのため、強酸や強アルカリなどの薬品に晒されても腐食しないことが求められます。ハステロイはこれらの薬品だけでなく、塩素ガスのような酸化雰囲気に耐えられることから、漂白用容器や放射性廃棄物処理設備の材料に選ばれています。

また、耐熱性が高いハステロイは、高温下でも優れた強度や耐食性を発揮します。耐熱性材料として広く知られているチタンよりも優れていると知ると、驚く方も多いでしょう。したがって、高い耐熱性・耐食性を活かして、高温下で長期間の使用が想定されるガスタービン部品や熱交換器などに使用されています。

代表的なハステロイの種類とその特徴

ハステロイには、いくつかの種類があることをご存じでしょうか。合金に含まれる元素の組成によって種類が分かれており、それぞれ特性が異なります。想定される環境に応じて使い分けられるため、各種類の特徴を把握することは重要です。

ここからは、代表的なハステロイB、ハステロイC、ハステロイXの特徴や用途を詳しく解説します。現在、材料選定をされていて、どの種類のハステロイを使用すべきか悩んでいる方は、以下の解説をご参考になさってください。

ハステロイB

ハステロイBは、ニッケルにモリブデンが多量に添加された合金です。約30%のモリブデンが含まれることが多いです。ハステロイBは、塩酸や硫酸といった強酸に対して優れた耐性を持ちます。

そのため、化学工場のパイプラインや反応器など、強酸の腐食が懸念される場所で広く使用されています。さらに、温度が上昇しても耐食性が低下しない特性から、熱交換器などの部品にも適しています。加工部品が高温下で、強酸に接触する可能性がある場合は、ハステロイBの使用を検討するとよいでしょう。

ハステロイC

ハステロイCは、主成分のニッケルにクロムとモリブデンを添加した合金です。クロムの添加量が多いため、ほかの種類よりも耐食性に優れています。強酸だけでなく、強アルカリや強酸化剤(塩素や過酸化水素など)に対して耐性がある点も特徴の一つです。金属同士のすき間や、表面の孔などで生じる局部腐食にも耐性があるため、さまざまな腐食環境下で使用できるでしょう。

ハステロイCは、上述したように高い耐食性を活かして、製紙工場や廃棄物処理設備などに使用されています。タムラエジアで対応しているハステロイC276は、広範囲の腐食環境に耐えられる材料です。よって、最もポピュラーで幅広い分野で使用されています。

ハステロイX

ハステロイXは、ニッケルをベースとしてクロム・鉄・モリブデンが添加された合金です。ほかの種類のハステロイよりも、高温での強度や耐酸化性に優れています。また、腐食環境下で力がかかることで生じる応力腐食割れにも耐性があります。

ハステロイXは上記の特性を活かして、ガスタービンの燃焼器や排気部品などに活用されています。応力腐食割れが懸念される高温下での使用が想定される場合は、選択肢の一つとして考えてよいでしょう。

ハステロイとインコネルの違い

ハステロイを調べていると、インコネルとの違いが気になる方もいらっしゃると思います。インコネルは、ニッケルに鉄・クロム・モリブデンなどが含まれた合金です。高い耐熱性や耐食性、機械的強度を持つことを特徴としています。

ハステロイ 加工 インコネル
▲インコネル材のパイプ部品

ハステロイとインコネルの違いは、高温での強度と耐食性です。ハステロイはインコネルよりも耐食性に優れていますが、強度が劣ります。高温環境で強度が必要な部材には、インコネルの方が適しているでしょう。一方、すき間腐食のような局部腐食が生じやすい部材には、インコネルの使用は適していません。

ハステロイの切削加工事例

ハステロイの切削加工事例をご紹介します。タムラエジアはハステロイC276の加工に対応しておりますので、その加工事例を写真とともにご紹介いたします。

ハステロイ 加工 押出成形用多層ダイ
▲押出成形用多層ダイ

ハステロイ 加工 バレルヘッド
▲バレルヘッド

こちらの事例をご覧の通り、タムラエジアでは押出成形用の金型やその周辺部品、金属部品や治具の製作を行っています。ハステロイなどの金属加工においては、表面処理・切削加工・仕上げ・組立に対応しております。

難削材の加工にお困りの方はこちら

難削材であるハステロイの加工は、会社によっては対応していない場合があるため注意が必要です。まずは、対応可能かどうかをご確認されることをおすすめします。

タムラエジアは、5軸加工機など充実した機器を保有しておりますので、難削材と言われているハステロイC276の加工にも対応を可能とします
タムラエジアの保有機器一覧はこちら

もし、ハステロイC276の加工先をお探しの方は、ぜひタムラエジアへご相談ください。

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電話:03-5735-3501
メール:info@tamuraejer.com
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