ノズルの試作品を製作する目的とは?
ノズルの試作品は、実際の使用環境に応じてその機能性や安全性、耐久性を検証するために作られます。
ノズルは、液体、気体、粉体などを噴射するための部品で、冷却、洗浄、コーティングなどの工程に使われます。また、ノズルは食品、医療、自動車、産業機械など、幅広い分野で活用されています。
開発段階で試作をおこなうことで、設計上の課題や不具合の兆候を早期に発見し、改良を重ねることが可能です。これにより、最終的な製品の品質向上やトラブルの予防に繋がります。
とくに新しい仕様や用途のノズルを開発する場合、試作は欠かせない重要なステップです。
ノズル試作の一般的なプロセス
ノズル試作の一般的なプロセスは、以下のとおりです。
- 設計要件のヒアリング
- 設計、モデリング
- 試作品の製作
- ノズル試作品のテスト、改良
試作品製作を依頼する際の最初のステップは、設計要件のヒアリングです。ノズルの使用用途や想定される流量、圧力、噴霧パターンなどについて、依頼先と打ち合わせをします。ヒアリングで明確にした仕様にもとづき、CADソフトなどを用いて製品形状を設計します。
設計後は、試作品の製造プロセスです。材質や仕様に応じ、金属加工や樹脂成形などで製品を試作します。試作品で耐久性や性能の問題点がないかを確認し、必要に応じて改善していきます。
一連の試作プロセスが一度で終わらないケースもあるため、スケジュールには余裕を持って製作を進めることが大切です。
ノズル試作で使われる主な加工技術
ノズルの試作に用いられる主な加工技術は、以下のとおりです。
- 旋盤加工
- マシニング加工
- 放電加工
製品の形状や使用する素材によって、適した加工方法は異なります。不適切な方法で加工すると、仕様どおりの性能を発揮できない可能性があるため、加工方法の選定は慎重に進める必要があります。
ノズルの試作を依頼する前に、それぞれの加工技術の特徴を把握しておきましょう。
なお、タムラエジアでは旋盤加工、マシニング加工、放電加工など、ノズルの試作品製作に柔軟な加工方法で対応しています。どの加工方法が最適かわからないという場合でも、経験豊富な弊社の技術者がご提案させていただきます。
旋盤加工
ノズル試作で使われる主な加工技術の一つが、旋盤加工です。
旋盤加工は、対象物を回転させながら工具を当てることで、指定の形状に切削していく方法です。円筒形状の加工に用いられることが多く、精度が高いという特徴があります。外径だけでなく、内径やねじ切りなどの加工も可能です。
旋盤を使って製作するノズルは、比較的小型のものが多く、仕上がりも綺麗です。円筒形の高精度なノズルを試作したい場合は、旋盤加工を検討してみましょう。
タムラエジアでは、切削加工の設備として2024年にDMG MORI ALX1500を導入いたしました。より回転数が高く、高精度かつ綺麗に、ノズルの試作品を仕上げることが可能です。
マシニング加工
マシニング加工も、ノズル試作で用いられる加工技術の一つです。
マシニングセンタと呼ばれる機械を利用して、固定した対象物に回転させた工具を当てながら指定した形状に削っていく方法です。旋盤加工が円筒形の加工が得意であるのに対し、マシニング加工は角物への切削に適しています。
マシニングの設備には、X、Y、Zの3方向から加工できる3軸マシニングのほか、A軸(傾き)とB軸(回転)からも加工できる5軸マシニングもあります。
タムラエジアでは、この5軸マシニングでの加工が可能です。より複雑な形状のノズルの試作も、高精度に、かつスピーディーにおこなえます。
放電加工
硬度の高い金属でノズルの試作品を製作する場合は、放電加工を用いることもあります。
放電加工は、電流を流した工具を対象物に当て、材料を溶かしながら加工する技術です。超硬合金やインコネルなどの切削が難しい材料でも、放電加工であれば対応できます。
放電加工は、難切削材だけでなく、複雑形状や細穴のような微細形状の加工も可能です。
旋盤やマシニングでは対応できない形状、素材のノズルを試作する場合は、放電加工に対応している業者に相談することもおすすめです。
タムラエジアでは、放電加工によるノズル試作品の製作依頼もお受けしています。特殊な形状の場合は電極の製作が必要なケースもありますが、弊社では電極の製作にも対応しています。
ノズル試作の注意点とは?
ノズル試作で失敗しないためのポイントには、以下などがあります。
- 仕様確認の徹底
- 適切な材質の選定
- 試作品の検証条件の設定
設計要件のヒアリングの段階で、仕様を明確化することは重要です。使用条件や目的などを明らかにしておけば、設計ミスを事前に防げます。
また、用途に応じて、適切な材質を選定することも大切です。たとえば、薬品を使用するノズルには耐食性が高い素材、高圧力での噴射が想定されるものには耐摩耗性が高い素材などが求められます。
さらに、ノズルの試作品を検証する際は、ノズルの使用条件に近い環境を用意することも大切です。検証条件を使用環境に近づけることで、試作品の検証で得られるデータの信頼性が高まります。
ノズルの試作品のクオリティや検証は、その後の製品の品質に直接影響するため、これらの注意点をしっかり意識するようにしましょう。
ノズル試作ならタムラエジアにお任せください
ノズルは、流量や圧力、噴霧パターンなどが製品の加工に影響を与えるため、用途によっては事前に試作品で性能を確認する必要があります。
ノズルの試作品の製作を依頼する際は、適切な加工方法に対応している、また提案してくれる加工会社を選ぶことがおすすめです。
タムラエジアは、金属加工、試作品製作において多数の実績がある加工会社です。
最新設備を取り揃えているだけでなく、お客様のさまざまなご要望にお応えできるよう、提案型の設計をおこなっています。
「ゼロから相談できる加工会社を探している」「小ロットでの製作を依頼したい」など、ノズルの試作に関するお悩みは、ぜひ以下のお問い合わせフォームよりお聞かせください。
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電話:03-5735-3501
メール:info@tamuraejer.com
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